サンセバスティアン3日目の朝は、ホテルからほど近いフレンチレストランDélices Maiatzaへ。
とっても雰囲気のよい素敵なお店で、奥の方へ行くとテーブル席があったので荷物を置こうとしたら若いウェイターが「英語のメニューをお待ちしますか?」と声を掛けてくれました。
セルフサービスのお店かと思ったら、テーブルでオーダーをとってくれるようです。
こんなちゃんとしたレストランでゆっくり座って食事をするのはひさしぶり。
バルでサクッと立ち飲みもいいけど、私は断然こちらの方が性に合ってる。
事前にGoogleでチェックしていたヴィーガントーストを注文しました。
アボカド・フムス・マッシュルーム・チェリートマト・ピクルス・ラディッシュがのった雑穀のトーストとカフェラテ。
結構ボリュームがあって満足しました。
最近野菜不足だったから嬉しい。
お店の壁に描いてあった"LET THE Good things grow(よいものを成長させよう)"という言葉。
うんうん、そうだよな。
目に映るすべてのことはメッセージ、ってユーミンが言ってたっけ。
今日は朝から霧雨が降っていて肌寒い。
外の気温は13度。
ビルバオでも街のあちこちにこういう電光掲示板があって、気温と時間が交互に表示されていました。
便利ですね。
ホテルの裏にあるのにまだ見学していなかったサン・セバスティアン大聖堂。
威厳のある佇まいです。
ホテルの清掃が終わる頃を見計らってホテルに戻り、昼食をどうするかガイドブックとにらめっこ。
サンセバスティアンで丸一日過ごせるのは今日が最後なので、妥協したくなかったからです。
そこで選ばれたのは Zazpi STM。
なかなかこだわりのあるバルのようです。
行ってみよう!
ここは博物館の一角にあって、レストランとバルが分かれています。
私はバルの方へ行きました。
お料理がくる前に立ちながらワインを飲んでいると、女性スタッフがテーブルと椅子を用意して、こちらへどうぞと席をすすめてくれました。
「13:45からお席の予約が入っているので、それまででよろしければ短いですけど、どうぞ」と。
バルなのに高級店のような対応で感激でした。
お料理が運ばれてきました。
私がオーダーしたのはマッシュルームとトリュフのリゾットと、赤ワイン。
ひと口食べて、思わず唸りました。
これがバルで出されるピンチョスなの⁈
リゾットの上に乗っているのはフォアグラです。
お皿も素敵だし、お味も完璧。
赤ワインもいちばん安いものなのに最高に美味しかった。
これで€6.50なんて、信じられません。
感動で胸がいっぱいになりながらお店を後にしました。
今日の海。
再びホテルに帰ってひと休みしたら、サンセバスティアン最後の夜に相応しいバルを決定。
この景色を見られるのは今日が最後なんて淋しいな。
19:00のオープン時間を狙ってLa Viñaへ。
すでに行列ができています。
怯むことなく列に並びました。
だって今日が最後なんだもの。
本当は並ぶのは好きじゃないんだけれど。
ほとんどの人はここのバスクチーズケーキが目当てのようです。
でも私の目的は違う。
もうここのチーズケーキは食べたしね。
私が食べたかったのは、 タコのビネグレットソース添え。
周りの人が次々とチーズケーキを買い求める中、カウンターでひとり黙々とタコを食べる私。
シュールです。
みんなの視線を感じる。
でも気にしない。
気になるけど気にしないフリをしました。
だって食べたかったんだから。
「グラシアス!」と挨拶して店を出たら、ミッションをクリアしてすっきりした自分がいました。
よし、次に行こう!
Bar Sportへ向かいます。
人がいっぱいいたけれど、店の奥の方まですべり込むことができました。
カウンターが空くまでは後ろの方でおとなしく待ちます。
少し空いてきたので、店員さんの方が私に気づいて声を掛けてくれました。
ウニのクリームスープとチャコリ。
やっぱりコレを頼まなきゃね。
お会計のとき、日本語で話しかけてくれた店員さんに「ありがとう!」と言うと、店員さんもにっこりと嬉しそうに微笑んで「アリガトウ!」と返してくれました。
最後はここに来てよかった。
サンセバスティアンの人はみんな目が優しくて、笑顔が温かい。
その土地を好きになるかどうかは人次第だと思っています。
私はもちろんサンセバスティアンが大好きになりました。