ビルバオのホテルの部屋で食べたおやつ。
昨年は2人の娘と私の女3人でイタリア・ギリシャを訪れました。
下の娘の卒業旅行も兼ねていたので、記念すべき旅行となりました。
女同士の旅は食べるものやショッピングの好みなど共通点も多く、とても気楽で楽しかったです。
ただ私と下の娘は語学に自信がなく、言語の問題に関してはすべて長女に丸投げするような形になりました。
責任感の強い長女は、自分が通訳として任務を全うしなければならないと思っていたことでしょう。
また、私は股関節に持病を抱えているので、いつ痛みがくるかわかりません。
あまり無理をして歩きすぎると動けなくなる可能性があります。
そのため娘達は、自分達が行きたい場所があったとしても、私の足を心配して我慢することがあったのではないかと思います。
特に長女は「ママはどこに行きたいの?」と私の希望ばかり優先しようとするので、「これはママだけの旅行ではないのだから」と少し言い争いになったこともあります。
娘達に気を遣わせるのが申し訳なくて、今度はひとりで旅がしたくなったのです。
娘達には私のための旅ではなく自分のために旅をしてほしかったし、私自身も自分の旅がしてみたかった。
疲れたな、と思ったらホテルに帰って休んだり、今日はあまりお腹が空かないな、と思ったら食事をパスしたり、時間を気にせず好きなだけ美術館巡りやショッピングを楽しんだり。
そんな訳で、私にとってひとり旅のいちばんのメリットは「誰にも気を遣わなくてよいこと」です。
もちろんひとり旅にはデメリットもあります。
誰かと一緒なら困ったときはすぐに相談できるし、何かトラブルがあったとしても緊張や不安が半減します。
美味しいものを食べたら「美味しいね」綺麗なものを見たら「綺麗だね」と感動を共有できるから喜びは倍になる。
ひとりだと、どんなことがあったとしても、いいことも悪いこともすべてひとりで向き合わなければなりません。
それでも私がひとり旅がしたかった本当の理由は、「自分自身と向き合いたかった」からなのかもしれません。
ひとりだと、五感が鋭くなる気がします。
特に耳。
音に対してとても敏感になりました。
大聖堂から聴こえる鐘の音や、鳥のさえずり。
打ち寄せる波の音や、降り出した雨の音。
風に揺れる葉っぱの音や、子どもの笑い声。
旅行中はほとんどテレビも観ず、音楽も聴かずに過ごしたので、外から聴こえてくる音に深く集中できたのだと思います。
それが今自分がいる場所、大げさにいえば生きていることを実感させてくれました。
またひとりで旅をしたいかと訊かれたら、それはわかりません。
かなりエネルギーを消耗するので。
でももしかしたら、今後どうしても訪れてみたい!という場所が出てきたら、そのときは行っちゃうかもしれないな…。
そのときの体力と周りの状況にもよりますが。
今回は、
①親も犬も高齢だけどまだ元気でいること。
②子ども達が実家暮らしなので留守を任せられること。
③自分自身も元気なこと。
という3つの理由で決断しました。
行けない理由はなかったのです。